• 熱帯夜、少女の歌声すずやかに〜前略、国際通りより〜

    by  • 2013年9月1日 • 特集 • 0 Comments

    国際通りを、とぼとぼと歩いていた。

     

    ガーブ川商店街にある事務所からの帰り道、時間は夜の8時を過ぎ、

    似たり寄ったりの土産屋の照明が、歩道を照らし始めていた。

     

    「コウヘイさん!」

     

    誰かが自分の名前を呼んだ。

    空耳かと振り向くと、昔世話になったマネージメント会社の社長がそこにいた。

     

    聞くと、売り出し中の女の子のストリートライブがこれから始まるところだという。

    その子は18歳。メジャーデビューを目の前にしていた。

     

    国際通りにある楽器屋の前では、

    売り出し中のアーティストの、ストリートライブを目にすることがまれにある。

     

    ストリートライブがはじまった。

    IMGP0689

    女の子は、ちらりと社長の方を見てから、ギターを引き始める。

    訴えるような声で、静かにそっと歌い始める。

     

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    その顔は決して楽しそうだと思えなかったが、

    不安と期待の間で、戦っていることを考えれば当たり前。

     

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    (今、僕にできることは、写真をとにかくたくさん撮ることぐらいか。。)

     

    自分は”さくら”と決め込み、下手クソなカメラを恥ずかしげもなく振りかざす。

    序盤、場違いなフラッシュを炊いてしまったりして、とにかく振りかざす。

     

    一人の女の子と、それを見守る二人の大人。

     

    女の子は、自分に今できることを懸命にやっている。

    IMGP0670

    通りすがりの人は、皆どこかの有名人が歌ってるのかと思い、

    チラチラ見たり、立ち止まって写真を撮ったり。

     

    夢中でシャッターを押していると、なんだか人が邪魔でうまく写せない。

     

    気づいたら、ちょっとした人だかりができ始めていた。

     

    曲が終わると、まばらではあるが力強い拍手をもらう。

    IMGP0687

     

    僕の役目が終わったと感じ、社長に一言挨拶をして、その場を去った。

    最後までいるべきだったかもなと、後ろ髪を引かれつつ。

     

    でも、すぐに思い返した。

     

    僕の経験によると、

    まっすぐで温かく、本当の意味での知恵とプライドを持つ女性は、

    少しぐらい勘違いしてても、周りの皆から応援される。

    心配ご無用。

     

    背中の方では、

    少しハスキーな少女の声が、

    再び熱帯夜の国際通りに、すずやかに響いていた。

     

     

    豊嶋


    About

    うさノート諜報部員。
    ライター兼イラストレーター兼カメラマンを担当。
    面白くないことでも、なんとか面白くしようと努力する。
    大まじめなことも、どうしてもふざけて伝えてしまう。
    人を笑わせて、笑顔にするのが好き。
    人の話を聞くのが好き。
    エロい話をこよなく愛する。
    モチベーションは「自由」
    生まれ持ってのリーダー肌で完全志向。
    効率が第一だが、計画性がない。
    論理的思考で、深く物事を見つめる。
    遅咲きの作家志望。
    将来の夢は、緑化で地球環境を守ること!(まじめに)
    感性集約思考型右脳派うさぎ男。
    好きな言葉「自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由になる」「どっちにしろ失敗する可能性があるのなら、好きなことに挑戦した方が絶対に良い」

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