• 「国際通りの青年」〜事実は変えられる〜

    by  • 2013年10月2日 • 沖縄 • 0 Comments

    ある日の昼下がり、国際通りで知人と待ち合わせをしていた。

    その日はカンカン照りで、シャツの下から汗が出て止まらない。

    リュックを背負った背中には、汗で描いた世界地図ができあがっていた。

     

    約束の時間までは、あと10分少しあった。

     

    待ち合わせた場所がコンビニのすぐ前の広場だった。

    暑さをしのぐためコンビニに入り、500mlペットボトル入りの水を購入した。

     

    時間を潰すため、コンビニの前にあるタワー型の灰皿がおいてある喫煙所で、突っ立ったままタバコを吹かす。

     

    少し離れたところにある2つ並行に並んだベンチでは、男二人女性一人のホームレスのような組が座り、談笑しながら同じくタバコをふかしていた。

     

    その光景を眺めていると、視界のはじにふと青年が入ってきた。

    seinen

    国籍は日本人。

    背は180センチほど。スタイルがよく、髪は耳にかけるくらい長めで、無造作ながら格好がついている。

    服装はタンクトップと白のハーフパンツ、白の靴。キレイ目で清潔感がある。

    顔は鼻筋がスッと通って目鼻立ちが整っており、モデルをやっていると言われたら納得するだろう。

    肌は日焼けのせいか、酒に酔っているせいか、赤くほてった感じが伺われた。

     

    その彼は右手にビールのロング缶、左手に缶チューハイをもっていた。

    彼は、そのホームレスのような人の中で最年長らしい髪もひげも白髪で伸びっぱなしのやせた老人に、さっきコンビニの冷蔵庫から出して勘定してきたばかりと思われる発泡酒ではないビールのロング缶を、そっと渡した。

     

    笑顔で受け取る老人。プルトップの栓を開け、うまそうに飲む。

    口のはじから、ビールが今にもヨダレのようにこぼれ出しそうな勢いで飲む。実に美味そうに飲む。

    そして老人は、他のメンバーにもその缶を手渡し、回し飲みする。

     

    青年はそれを眺めながら、自分の缶チューハイの蓋を開け、静かにしかし勢いは悪くなく、缶に口をつける。

    こちらからは彼が何を話しているかは伺えないが、素の自然な表情でそのホームレスたちと語らい始める。

    この光景を目の当たりにし、こころの中で違和感がわいてくる。

     

    なぜ?

     

    最初に見たときは、ホームレス仲間だと思った。

    若いのに、かっこいいのにホームレスなんだなと。

    しかし、行動と様子をしばらく観察していると、明らかに周りのホームレスとは違う空気が見え出していた。

     

    彼はまたコンビニに入る。

    しばらくすると、赤ラークとセブンスターを右手にもって登場する。

     

    赤ラークをホームレスの一人に一箱渡す。

    一本ではなく一箱。

     

    そして、ホームレスが楽しそうにパッケージを開け、一本タバコを取り出し、先端に火を点けウマそうに吸い始める。

    青年はその隣に腰掛け、談笑を続ける。

     

    気がつけば知人が到着していた。

    青年の様子を、知人も見ていたらしい。

    目的の場所に移動する道すがら、少しそのことについて話した。

     

    何者なんだろう。

    青年実業家の道楽か?

    学生かなにかの研究か?

    はたまた本当にタダのホームレス仲間なのか?

     

    そうこう考えている内に、自分が今伝えた事の中には、かなりの主観が入っていることに気づく。

     

    本当に男か?

    本当に日本人か?

    本当に物をコンビニで買ってきたのか?

     

    起こったことだけを伝えるとすれば、ただ人と似たような動物がいて、

    物品を手に入れ、他人に渡したという現象ではないか。

     

    現象を話す時、人は”事実だと思ったこと”を人に話しているという可能性が高い。

    こう考えてみると、はたして自分は物事を伝える際に、主観がどれだけ入っているのだろう。

     

    ここから考えを発展させると、事象を伝える時に、

    ”事実らしいこと”は如何様にも作り出せるのではないかという事に到達した。

     

    つまり主観さえコントロールすれば、事象・現象についてはどのようにも表現できるということだ。

    事象のレベルまで物事をシンプルに考えることにより、”事実らしい”ことは後付しても全く問題がなくなる。

     

    例えば、

    二人で食事に行きサラダを注文する。

    知人がトイレに立っている最中にサラダが来た。

    サラダにはドレッシングがかかっていない。

    自分はドレッシングをかけたい。

    しかし、トイレに立ったあの知人はそのドレッシングが好きかどうかわからない。

    そのとき、どうするか?

     

    「構わずサラダにドレッシングをかける」

     

    自分とすれば、「勝手にドレッシングかけた」という事実。

    しかし現象とすれば「ドレッシングがかかったサラダ」

    そのサラダを初めて見た知人は「ドレッシングのかかったサラダ」が出てきたということでしかない。

    つまり、物事を事象レベルまでシンプルに考えることができれば、あとは主観をいかにコントロールするかで”事実”は創りだすことができる。

    そしてこのことは、自分の先入観をいかに取り除けるかにかかっている。

     

    ものごとをシンプルに考えるということをこのレベルで実践できている人は、

    自分をコントロールし、他人をコントロールするところまで応用できる。

     

    この国際通りで起きた不思議な出来事から始まり、一日中考えさせられた。

     

    この経験からひとつ言えること。

     

     

    自分で得た一次情報以外は、他人により操作される。

     

     

    肝に銘じておいた方がいい。

     

     

    豊嶋


    About

    うさノート諜報部員。 ライター兼イラストレーター兼カメラマンを担当。 面白くないことでも、なんとか面白くしようと努力する。 大まじめなことも、どうしてもふざけて伝えてしまう。 人を笑わせて、笑顔にするのが好き。 人の話を聞くのが好き。 エロい話をこよなく愛する。 モチベーションは「自由」 生まれ持ってのリーダー肌で完全志向。 効率が第一だが、計画性がない。 論理的思考で、深く物事を見つめる。 遅咲きの作家志望。 将来の夢は、緑化で地球環境を守ること!(まじめに) 感性集約思考型右脳派うさぎ男。 好きな言葉「自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由になる」「どっちにしろ失敗する可能性があるのなら、好きなことに挑戦した方が絶対に良い」

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